◆ 10月号事務所ニュース

(厚生年金保険の資格取得手続き時のマイナンバー等記載の厳格化)

 令和5年9月29日付で「厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令」が交付され、厚生年金保険の資格取得届へ記載するマインバー(個人番号)等の記載が厳格化されました。

 従業員が入社し、新たに厚生年金保険の資格取得手続きをする時には、資格取得届にはマイナンバー(基礎年金番号を既に有している場合は、マイナンバーまたは基礎年金番号)を記載する必要があります。
 これまで、基礎年金番号を既に有している人が新たに厚生年金保険の資格取得をする際、マイナンバーと基礎年金番号のいずれも確認できない場合は資格取得届と一緒に「基礎年金番号通知書再交付申請書」を提出することで手続きが可能でしたが、今回の改正省令の交付に伴い令和5年9月29日以降はマイナンバーと基礎年金番号のいずれも記入がない場合は届出が受理されず、返戻されることとなりました。

 今回の改正の背景として、令和5年8月8日に実施されたマイナンバー情報総点検本部会議で議論が行われた「マイナンバー制度及びマイナンバーカードに関する政策パッケージ」があります。

 政府がマイナンバー制度の普及を急速に進める一方、複数の制度において制度側で管理する制度固有の番号(厚生年金保険でいうところの基礎年金番号)とマイナンバーの間に紐付け誤りがあったことが明らかになり、再発防止の取り組みの一環として、各種制度の申請者(厚生年金保険の場合は事業主)に個人番号の記載を求める旨を明確化する省令改正を行うこととなりました。

 従業員が入社した際に手続きが必要な他制度として、健康保険の資格取得手続き時にマイナンバーの届出を必須とする健康保険組合が年々増えており、また、雇用保険の資格取得手続きにおいても申請者(事業主)は雇用保険手続の届出に併せてマイナンバーを届け出ることが義務付けられています。
 
 今後も各種制度とマイナンバーを紐付ける政策は促進されていくことが予想されるため、事業主にはマイナンバーの提出に関して従業員の理解を得るための周知や、事業所内での適切なマイナンバー管理が求められます。

【参考】日本年金機構 被保険者資格取得届にはマイナンバーを必ず記入してください
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2023/202310/100202.html

【参考】厚生労働省 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令の公布について
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T231002T0060.pdf